たまり醤油とは?醤油の種類について解説 - 業務用たまり醤油仕入れ工場 ヤマミ醸造のたまり醤油の仕入れはお任せ!

たまり醤油とは?醤油の種類について解説
2023.6.19

『たまり醤油』は、原材料のほとんどを大豆が占め、濃厚なコクと旨味が特徴です。中部地方の豆味噌づくりから生まれ、寿司や刺身のような卓上料理に適している他、照り焼きや佃煮など、幅広い料理シーンで活躍しています。今回は、たまり醤油の特徴や種類についてご紹介します。おすすめの使い方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

たまり醤油とは?

原材料である大豆を蒸して麹を加えたものを、約1年間以上かけて丁寧に発酵させて作られた醤油を指します。かつて江戸時代では、醤油といえばたまり醤油が挙げられるほど、身近な調味料でした。

 

中部地方の豆味噌づくりから生まれ、作る過程で溜まった液体を取り出したのが、たまり醤油の始まりとされています。主な生産地域は愛知県、岐阜県、三重県の東海地方や九州地方です。

 

とろみが強く甘みがあり、濃厚な旨味成分と素材の味を引き立てる色や香りが特徴。「さしみたまり」とも呼ばれていて、お刺身と一緒にいただく家庭やお店が増えています。一般的な濃口醤油と同じ使い方ができるので、日々の料理にも取り入れやすいです。

たまり醤油と醤油の違いってなに?

たまり醤油と聞いて、スーパーなどでよく見かける濃口醤油との違いってなに?と疑問を持つ方は少なくないでしょう。しかし、たまり醤油と醤油では明確な違いがあります。ここからは2つの醤油の違いについて解説します。違いを理解することで、料理に適した醤油の種類を選びましょう。

 

原材料が違う

たまり醤油の主な原材料は大豆であるため、濃口醤油よりも旨味成分が多く含まれています。なかには少量の小麦を使用して作られることも。濃口醤油は大豆と小麦を約半分の割合で使用しているため、たまり醤油と比べて分解されるタンパク質の量が異なり、旨味に差が生まれるのです。

 

水が違う

たまり醤油の製作過程で、仕込みに使う水の量が少ないことも特徴として挙げられます。一般的に知られている醤油は、麹の量に対して約120%の塩水を使って仕込んでいます。一方たまり醤油は、麹に対して約50~100%の塩水しか使用していません。少ない水分量で作られているからこそ、たまり醤油独特の粘り気や深いコクを楽しめるのです。

また、水分量が約50%のたまり醤油は「五分仕込みたまり醤油」、約100%のたまり醤油は「十水仕込みたまり醤油」と呼ばれているように、含まれている水分量によって呼び名が異なります。水分量が少なくなるほど、より醤油の旨味成分が濃厚になっていくのです。

 

塩分量が違う

文部科学省が調査を行なった日本食品標準成分表2020年版(八訂)によれば、たまり醤油に使われている塩分量は約13%と記録されています。この数字は一般的な濃口醤油と比べて非常に低い数値です。そのため、少しの量でもコクと香りを存分に楽しめるのがたまり醤油の魅力でもあります。

※参照:「日本食品標準成分表2020年版」(八訂)

醤油の種類について解説

醤油は大きく分けて5つの種類に分けられます。一般的に私たちが生活に取り入れているのが「濃口醤油」です。他にも関西でよく使用されている「淡口醤油」や、愛知県・岐阜県・三重県の東海地方で生産されている「たまり醤油」「白しょうゆ」、塩水の代わりに生揚醤油を使って仕込む「再仕込み醤油」に分けられます。

 

それぞれの大きな違いは熟成期間と原材料にあります。原材料に大豆や小麦を取り入れている量が異なり、たまり醤油は大豆を約100%使用して作られているので、「濃口」「淡口」「再仕込み」と比べると非常に旨味成分が多く含まれているんです。

 

1. 濃口醤油

濃口醤油は、日本国内で生産される8割を占める、多くの家庭に馴染んでいる一般的な醤油です。他の種類の醤油と比べると、塩分や色合いは中間。両方のバランスがとれている万能な調味料として知られています。

 

蒸した大豆と同僚の小麦を加えて麹を作り、そこに食塩水を加えてねかせることで作られています。角煮やぶり大根など、しっかりと味付けをしたい料理に最適です。

 

2. 淡口醤油

関西で広く使用されている淡口醤油は、色味が薄く濃口醤油と比べて塩分も多く含まれています。色味が薄いから塩分も少ないと勘違いして利用してしまうと、料理の味付けに失敗してしまう恐れもあるので、気を付けて使うようにしてください。

 

淡口醤油は、素材の色味を残したまま料理に活かしたいときに向いています。炊き込みご飯や煮物など、上品な色合いに仕上げられるのが魅力です。

 

3. たまり醤油

たまり醤油は、主に中部地方を中心に生産されています。少ない水分量で生産されているので、とろみを感じられるのが最大の特徴です。原材料のほとんどを大豆が占めていて、少量の小麦を使っているものや、グルテンフリーのたまり醤油も販売されています。タンパク質が豊富なので、より濃厚な旨味成分を味わえるのが、たまり醤油の魅力です。

 

つけ醤油として刺身と一緒に使用したり、加熱することできれいな赤みが出るため、照り焼きや佃煮、焼き鳥など加熱する料理に使用するのも良いでしょう。

 

4. 白醤油

白醤油は、淡口醤油よりもさらに色味が薄いもので、中部地方で主に生産されています。原材料のほとんどを大豆が占めるたまり醤油とは対照的に、小麦が主な原材料として使われています。醸造期間を短くして、料理に色がつかないようにさまざまな工夫がされています。

 

白醤油の色合いや香りを存分に引き出すために、茶碗蒸しのような食材の色が活かされる料理に向いています。特有の旨味とコクがあるので、糖分が高いのが特徴です。

 

5. 再仕込み醤油

再仕込み醤油は、発酵させた醤油麹に醤油を混ぜて熟成しています。醤油を2度熟成させるような製法で作られていることから、再仕込みと呼ばれています。九州地方を中心に作られていましたが、今では全国的に生産されているのが特徴です。

 

色合いがかなり濃くどろりとしているので、刺身や寿司など卓上で使われることが多いです。また、再仕込み醤油は他の醤油と比べて購入価格が高いので、加熱などで大量に消費をせずに、そのままの風味を楽しむと良いでしょう。

 

たまり醤油の種類について解説

たまり醤油は、一般的に手に入る醤油と同様にさまざまな種類に分けられています。主に塩水量や、醤油麹と塩水の割合が理由です。麹よりも塩分が多い、少ないによって色合いやコクに大きな差が生まれます。醤油麹の約半分程度の塩水しか仕込まないため、たまり醤油は麹よりも塩水の割合が少ないとされているのです。

 

醤油は塩辛いもの、というイメージを持っている方がたまり醤油を使うと、意外と塩辛くないと感じる場合が多いです。減塩を考えている方は、迷わずたまり醤油を購入すると間違いないでしょう。

 

1. 小麦なし(グルテンフリー)のたまり醤油

小麦不使用のたまり醤油も販売されており、アレルギーを持っている方を中心に広く愛されています。長い年月をかけて大豆からたまり醤油を作っているので、色が濃く香りが強いのが特徴として挙げられます。日本国内外から人気を獲得していて、今も徐々に市場を拡大しています。

 

また、食事改善や減量を目的として、グルテンフリーのたまり醤油を購入される方も多いです。グルテンが含まれている油や砂糖が多い食材を避けることも大切。些細なポイントに気を付けることで、より健康的な身体づくりに役立つでしょう。

2. 小麦ありのたまり醤油

大豆の割合はそのままに、小麦を加えて作られたたまり醤油もあります。仕込む際の割合は大豆9に対して小麦1割のことが多く、仕込む蔵によって割合は変動します。醤油の濃い味の主張が強く、加熱するときれいな照りが生まれるのも魅力。脂身の多い食材との相性が非常に良いので、ぜひ使ってみてください。

 

3. 甘みのあるたまり醤油

たまり醤油の中には、刺身と一緒にいただくとバランスが良い甘みの強いものもあります。水飴と砂糖で甘みをつけて、口に入れるとほんのりとした醤油の甘みが広がるのが特徴的。九州地方で作られている甘口醤油とは異なり、甘さは全体的に控えめです。刺身が持っている旨味と一緒に、醤油独特のコクや旨味成分を楽しみたい方におすすめ!

たまり醤油のおすすめの使い方

たまり醤油の特徴について紹介してきました。ここからはたまり醤油のおすすめの使い方についてご紹介します。濃口醤油と同じようにつける調味料としても使えますが、あるポイントを覚えるだけで、よりたまり醤油が持つ旨味成分を引き出せるようになるんです。初めてたまり醤油を使う方や、今よりもたまり醤油を使えるレパートリーを増やしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

1. 濃厚な味の料理とのバランスが良い

たまり醤油には独特の旨味成分が含まれているので、濃厚な味を持つ料理と組み合わせると非常にバランスが良いです。魚やお肉のような生臭さがある食材と合わせると、食材が持つ生臭さを抑えてくれます。

 

そのため、赤身のある刺身や脂がしっかりと乗っているお肉と合わせると良いでしょう。なかでもマグロやステーキとの相性は抜群!たまり醤油を使う際は、少しクセのある食材と組み合わせると良いでしょう。

 

2. 濃口醤油の代わりに使うとコクが上がる

普段使っている濃口醤油の代わりに、旨味成分が多く含まれているたまり醤油を使うことで、より料理にコクを持たせることができます。たまり醤油で煮物を作ると、肉や魚はもちろん、貝類などの具材を柔らかくキープしてくれるので、型崩れしにくいというメリットが挙げられます。豚の角煮や佃煮などに使用すると良いでしょう。

 

さらに、たまり醤油を加熱することで赤みが増すので、照り焼きなど艶のある照りを再現できるのも特徴です。近年では、たまり醤油の持つ独特な旨味や香りを、中華料理や洋食に活かすお店も増えています。

 

たまり醤油の代理品は?

たまり醤油がなかなか手に入らないときには、濃口醤油を使って代用できます。濃口醤油はたまり醤油と同じ要領で使用できるので、料理に必要な分量をそのまま入れましょう。たまり醤油の甘みに近付けたいときは、みりんやザラメを加えてください。砂糖でも作れるので、甘味を再現したいときはお好みの分量に調整しましょう。濃口醤油はスーパーでお手軽に購入できるので、たまり醤油を購入できないときにおすすめです。

 

たまり醤油を食生活に取り入れよう!

今回は、たまり醤油の特徴や種類、おすすめの使い方を紹介しました。大豆を主な原材料にすることで、タンパク質を多く含ませ旨味成分を増加させているのが特徴。日本で古くから愛されてきたたまり醤油は、現代でもさまざまな料理に取り入れられています。

 

小麦なし(グルテンフリー)のたまり醤油も販売されていて、塩分量も少ないため多くの方が気軽に使いやすいのがメリットです。ぜひ気になった方は、食生活にたまり醤油を取り入れて、美味しい食事を楽しみましょう。今よりも食生活が豊かになること間違いなしです。