普通の醤油と違う?たまり醤油について
たまり醤油とはなにか、ご存知でしょうか。
あまり聞き慣れない、家庭で普段使う醤油とどう違うの?という方も多いはず。
この記事では、たまり醤油とはなにか。また、たまり醤油がオススメのシーンを合わせてご紹介していきます。
たまり醤油とは?
たまり醤油とは、東海地方の豆味噌づくりから生まれた醤油のことです。豆味噌を作る過程で出た液体が桶の底にたまり、これを取り出したのが始まりと言われています。
原料の大豆を蒸し麹を加えて、できた味噌玉を一年間以上発酵させて作られます。これにより大豆と塩が見事に融和してまろやかで濃厚な味に。家庭でよく使用する普通の醤油と比べ、旨味が強くトロッとした仕上がり。原料のほとんどが大豆で、独特の香りとコクが特徴の醤油です。
伝統製法で作られるたまり醤油は大変手間がかかっているため生産量が少なく高価です。
全国ではたまり醤油の流通は2%ほど。濃口醤油が主流ですが、東海地方では流通している醤油のうち、たまり醤油が15%を占めています。
私たちにとっては濃口醤油などが一般的であまり聞き慣れない醤油ですが、江戸時代頃までは醤油といえばたまり醤油が主流だったのだとか。
現在では三重、愛知、岐阜の東海地方3県や九州地方で主に生産されています。
たまり醤油の魅力
たまり醤油は、濃厚なコクと香りの高さが魅力です。旨味の強さは醤油の中でもトップクラスと言われるほど。
濃い色合いととろりとした粘り気が特徴で、旨味を活かしてそのままつけ醤油にすると絶品。刺身や寿司と相性が良く、別名「さしみたまり」と呼ばれています。
その他にも、素材の味が引き立つため様々な料理の調味料として幅広く使われています。
たまり醤油と普通の醤油の違いは?
家庭でよく使われている濃口醤油などの醤油との違い、もっと詳しく知りたいですよね。
水や原材料などからして濃口醤油などとは違うたまり醤油。以下に詳しく説明していきます。
■醤油の種類
醤油は原料の違いと、熟成期間の長さによって大きく5種類に分けられます。
・溜醤油(たまりしょうゆ)
東海地方の豆味噌作りから生まれた醤油。旨味成分が非常に高い。色が濃く、トロッとしていて香り高い。素材を引き立てる色と香りが持ち味。
・濃口醤油(こいくちしょうゆ)
醤油生産量の約85%を占める、もっとも広く用いられている醤油。透明感のある明るい赤橙色。香りが強く、コクがある。和食に主に使われる。
・淡口醤油(うすくちしょうゆ)
関西では一般的な色の淡い醤油。料理の際の素材の持ち味を活かすため色や香りを抑えた醤油で、表に出ない醤油味で全体をまとめるのが得意。塩分量は高め。
・白醤油(しろしょうゆ)
愛知県碧南地方で生まれたもので、主原料は小麦で熟成期間は短い。醤油の中で最も色の淡い琥珀色の醤油。クセがなくあっさりした旨味。
・再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)
国内生産量は約1%。一度出来上がった醤油を再度醸造させて作る醤油。熟成期間が長く、製造に2倍の時間と、原料も2倍の量が必要なぜいたくな醤油。
■水の違い
濃口醤油は大豆や小麦から作る麹の量に対して120~130%ほどの塩水で仕込みますが、たまり醤油は50~100%。使う水の量がかなり少ないのが特徴です。
これにより、たまり醤油特有のトロッとした粘り気やコクが生まれます。
また、たまり醤油の中にもいくつか種類があり、水分量が少ない方がより濃厚な味わいに仕上がります。
水分量が50%のものは「五分仕込みたまり醤油」、100%のものは「十水仕込みたまり醤油」と呼ばれています。
■原材料の違い
醤油の原材料は大豆や小麦などの穀物で、その割合は種類によって異なります。
濃口醤油に使われる大豆と小麦の割合はほぼ50%ずつ。たまり醤油の場合、ほとんどが大豆で作られ、小麦を使う場合も少量だけ用いることが大きな特徴です。
大豆は醤油の旨味のもとになるので、大豆をより多く使用するたまり醤油は旨味たっぷりと言えるのです。
■塩分量の違い
たまり醤油の大きな特徴の一つは、塩分量が少なめなことです。
日本食品標準成分表によると、濃口醤油の100g中の塩分量は14.5g、淡口醤油が16g。それに対し、たまり醤油の塩分量は100g中13gほどです。
たまり醤油は濃い色合いのため塩辛く見られがちですが、比較すると意外と塩分量が少ないということが分かります。
また、たまり醤油はその濃厚な旨味により少量でも満足しやすく、醤油の付けすぎを防げるのもポイントと言えるでしょう。
醤油にもいくつかの種類があり、中でもたまり醤油は私たちが普段よく使う濃口醤油と比較し、水・原材料・塩分量などが違うことが分かりました。
旨味たっぷりの濃厚な味わいのたまり醤油。ぜひ使ってみたくなった!という方もいるのではないでしょうか?
ここからはたまり醤油を美味しく使うことができる、オススメの使い方をご紹介していきます。
たまり醤油がオススメのシーン&料理!
■刺身や寿司
素材の味を引き立て、「さしみたまり」とも呼ばれるたまり醤油。刺身や寿司と相性が良いため、そのままつけ醤油にすると美味しく頂けます。
力強い味わいの赤身魚や、こってり脂ののった魚とも相性抜群です。
・刺身
・寿司
・豆腐のかけ醤油
【オススメな使い方】
・マグロの刺身
・ブリ、サーモンの刺身
・マグロの漬け丼
・海鮮ちらし寿司
・納豆のタレに
・チーズの醤油漬け
■煮物
旨味とコクが強いたまり醤油は、つゆやタレにもピッタリ。肉・魚・貝類はたまり醤油で煮ると硬くなりにくいことから、佃煮やしぐれ煮にもよく使われています。
・佃煮
・しぐれ煮
・豚の角煮
・漬物にも
【オススメな使い方】
・あさりのしぐれ煮
・肉じゃが
・赤魚の煮付け
・チャーシューの味付け
・すき焼き
・そうめんのつゆ
■焼き物
濃口醤油と比べ糖分が高く、粘度が高いたまり醤油。そのため素材の表面に乗りやすく、良い照りが出るのが特徴です。熱を加えることで赤みが増し、料理が美しいべっこう色に仕上がります。魚や肉の生臭さを消す効果も。
蒲焼き、照り焼き、焼き餅、焼きおにぎりやせんべいにオススメです。
・照り焼き
・うなぎや焼き鳥のタレ
【オススメな使い方】
・照り焼きチキン
・いわしの蒲焼き
・豚の生姜焼き
・焼きおにぎり
・ステーキ
■その他様々な料理に
たまり醤油の香りと、濃厚な旨味とコクは和食だけにとどまりません。様々な用途で幅広く使われています。
・洋食・中華のコク出し
・パン・スイーツの隠し味
様々な料理に使えるたまり醤油。ここに挙げた以外にもきっとお気に入りの使い方が見つかるはずです。
ぜひ美味しく使ってみてくださいね。
さいごに
ここまでたまり醤油についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
たまり醤油は使ったことがない・聞き慣れない醤油だという方も、たまり醤油を使ってみたい、どんな風味なのか知りたいと興味を持っていただけたのではないでしょうか?
濃厚なコクと旨味、素材を引き立てる色と香りのたまり醤油。塩分量が低いことから、塩分を気にされる方にもオススメできますね。
ヤマミ醸造では熟練の職人技で仕込んだたまり醤油をご家庭だけでなく業務用商品としてお届けしています。ご興味のある方は是非一度お問合せください!
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